2018.9.8/平野楓汰の誕生会
上海家具見本市に出展させてもらった
信じられないくらい沢山の人が会いにきてくれた。
それもこれも今回のことを全てまとめて実現してくれた黄(コウ)さんのおかげだ。
個々までの敬意は以前も書いたので省略する。
黄さん自身も腕利きの家具職人だ。
一般的にはあまり馴染みは無いだろうが「技能五輪」というものがある。
大工だったり、左官だったり各ジャンルの職人が技能で競い合うオリンピックだ。
黄さんは台湾チャンピオンで国を代表する選手だった。
商品代金も輸送費も全てもってくれてブース代などの出品ひも無し
少し前になるけど平野フウちゃん19歳の誕生会をした。
KOMAに来て2年目になる。
誰よりも気が利いてフットワークも軽い。
飲食店などでは一度行けば覚えてもらえて、2回目からは常連客のようなサービスを受けてしまうような愛されキャラだ。
誰とでもすぐに打ち解けてしまうのは、明るい人柄と何事にも臆さない強さがあるからだろう。
そんな彼だからKOMAの良いムードメーカーになってくれている。
そして武内マイちゃんのはじめての部下でもある。
そんなに厳しく怒って大丈夫?と傍目にも心配になる事もあるが、その二人の関わりに口出しする気はない。
マイちゃんには愛情があるし、受け手のフウちゃんには素直さと根性があって、どちらのことも信頼している。
「臆さないチャレンジ精神がありそうだ」が大卒や経験者などの就職希望者から高卒で最年少の彼を選んだ理由でもある。
その上司と部下の二人の関係から夜の練習会なんていうのも始まった。
フウちゃんが次にチャレンジしたり覚えたい事を週に一度マイちゃんが教えながら練習するという内容で、当然本人はその一週間自主練習をして臨むのだが上司であるマイちゃんから見るとアマく感じることもあるようで「お前ガンバルって言ったよな?真面目にやれよ!」なんて叱責する声を遠くに聞きながら、2人の真剣な横顔をチラリと盗み見ていると自然と口元が緩んでしまう。
こういった事が若い衆のなかで自発的に行われるのがすごく嬉しいからだ。
せっかくの仕事を日々のルーティーンにしてしまうのはもったいない。
どうせなら新しいチャレンジの結果そのものを仕事にしたい。
どちらが楽かと言えばルーティーン的な繰り返しかもしれないが、
どちらが楽しいかといえばチャレンジの繰り返しだと思う。
その場合、大切になるのは失敗をポジティブに捉えること。
はじめての事なんて上手くいかなくて当たり前だから「失敗できてラッキー」くらいに思えないと、とてもじゃないけど続けていけない。
その度に気付きを得て次に繋げる繰り返しの春秋を経ていけばいいだけで、「失敗を楽しむ事」がチャレンジの本質であるように思う。
まあ、実はそんなふうに思えるようになったのは自分自身もつい最近の事で、それまでは「失敗は無駄そのもの」と思っていたが、歳も一番下で職場の仲間達はみんな大学や専門学校を出ていて高卒は自分だけ。。などなど上手く出来ない事の言い訳なんていくらでもできるだろうが、下手でもなんでも四の五の言わずにまずヤッてみる!というスタイルの彼を見ていてそう気が付けたのかもしれない。
乾いたスポンジのような吸収力は、スポーツでもなんでも同じだろうが若さの特権というものかもしれない。
何かをはじめるのに年齢など関係ないなんて言うけど、早いに越したことはない。
特に身体的だったり感覚的な要素が多いことならなおさらだ。
フウちゃんはまだ19歳。
大学卒で入ってくる子の22歳のころにはもう5年目になっている。
歳は同じでも給料は倍くらい稼いでる可能性だってある。
それが完全実力主義の職人の世界の面白いところの一つだ。
そして、俺の部下の武内マイちゃんの部下である彼にもいつか部下ができる。
なんだか想像するだけで楽しみで仕方がない。
いきなり話は変わるけど
明日から亀井と武内マイちゃんと一緒に上海に行く。
世界でも有数の規模を誇る上海の家具見本市に出展させてもらえることになって、現地で家具の展示と刃物を使った仕上げ作業の実演などをする。
とんでもなく大きな会場の中でも、特に良い場所に立派なブースを構えてもらえるようで、招待して下さった方々には本当に感謝しています。
新たな挑戦にワクワクしている反面ビビってもいるけど、良い結果を残すことが一番の恩返しだと思うので最善を尽くしてきます。
世の中を変える!とか、業界の未来を!とか、俺の周りには立派な「大義」を抱いて本気で尽力している人が沢山いて、いつも刺激をもらえるし尊敬もしている。
だから俺も!なんて思ってはみるが、正直なところ全くピンとこない。
「世の中」とか「業界」とかの大きなスケールが実感できないし本当は興味が無い。
もちろん結果的に貢献できれば嬉しいが、それが目的にはならない。
俺みたいな小者が持つ「大義」など自分の卑しい欲を勘違いした大義名分がイイとこで、そんなもの持つ必要がないと40歳を越えて最近ようやく気が付いた。
それでも「小儀」はある。
お客さんや仲間達がしてくれる信頼や期待だけは裏切りたくないし、出来ればそれを超える結果で応えたい。
もう20年近くも前になるが現在のフウちゃんと同じような小僧の頃から、今までの全部の仕事でそう思ってきたし、これからもそれだけは変わらない。
だから今回の上海も全力でブチかます!!
つもりでがんばります〜