2015,11,14/感謝する人達3
100年杉の椅子のつづき。
KOMAの由来は
亀井のK
及川のO
松岡のMA
立ち上げのメンバーだ。
最初は彫金、強化プラスチック、木工の3素材の使い手で
工場をシェアするつもりだったが、そんな簡単じゃない。
世の中は厳しいってことを知っちゃった25歳。
一年後、亀井との救急車出動の大喧嘩の末解散。
俺はそのままKOMAをつづけるが、
一年後には俺もどん底。
家族がいるのに家に金も入れられない。
工場に行くガソリン代もない。
もう、おしまいかなあ。。
そんな時、訪ねてきたのが信用金庫の支店長さん。
多摩信用金庫の金井支店長だ。
当時39歳の歴代最年少での支店長だ。
ハンサムだ。
イケメンじゃなくてハンサム。
なんで支店長さんが?
「なんか面白いヤツがいるって聞いてきたんだけど〜話そうか!」
と金井さん。
工場で塗料の一斗缶に座り2人で話した。
今までの経緯や目指していたことを黙って一時間聞いてくれた。
「まっちゃん。面白いね〜応援するよ!」
その場で電話を取り出して何やら俺のことを話してる。
「今、本部に電話しといたから〜マッチング出来そうな会社を紹介するよ〜」
と携帯をたたみながら金井さん。
「え?マジっすか?」
「建築、設計、リフォーム、インテリアショプ、、んな感じでいいよね?」
「え??マジっすか??」
「ウチみたいな所はさ〜人と人を繋げるぐらいしかヤルこと無いのよ〜笑」
本当に沢山紹介してくれた。
多くの取引先ができた。
「昼飯行こう!どうせロクなもん食ってねえんだろ?」
時々お昼になると車で迎えにきてくれた。
「おいしいもん食べ行こう!」
よく酒もおごってもらった。
「まっちゃん!車乗れよ!一緒に営業行こう!」
「??」
「まっちゃん一人じゃチンピラだけど、支店長が一緒だったら説得力あるだろ?」
そう言って一緒に営業してくれたこともあった。
おかげさまでドッと仕事が入ってきた。
でも、金がなくて材料が買えない。
家賃も滞納してる。
墜落寸前の2年目の個人事業に300万円貸してくれた。
ここからようやく浮上が始まるのである。
金井さんと多摩信用金庫に感謝してもしきれない。
だから未だにKOMAは多摩信用金庫としか取引しない。
他の銀行が営業に来たら上のエピソードを話して
「ここまでしてもらっといて浮気するヤツと取引する?」って聞く。
すると苦笑いしながら帰っていく。
「まっちゃんはさ!世界のトップ獲れよ!」
酔うといつも励ましてくれた。
「金井さんは?」って聞くと。
「俺はさ、小さな地域密着が向いてるんだよ〜その人に合ったスケール感を全うすれば上も下も無いんだよ。」
なんとも清々しい男なのである。
ある日「部下の教育は?」って聞いた。
「何度も何度も同じ事を言う」と答えた。
「何度言っても分からない場合は?」
「それでも同じ事を何度も何度も言う」と答えた。
俺にはまだまだそんなこと出来ない。
清々しく生きるっつうことは特別なことをするワケではない。
誰もやらないこと、自分がやったほうが良いこと、自分にしか出来ないこと。
コレらを感じて見つけて、ただただやり続けるってことだ。
んで、自分が少しでも周りの人の助けになれば良いのだ。
こんなことを身を以て教えてくれた人だ。
あれから10年。
今でもこの地域にファンが多い金井さんは今年、
最年少で役員になった。
今度お祝いをしたい。
こういう人の結果は嬉しい。
なんだか自分のことよりずっと嬉しい。
「嬉しいこと」につづく。